日本自動車研究所(JARI)は、2017年4月、自動運転技術の評価のための施設である「Jtown」の運用を開始した。経済産業省の「自動走行システム評価拠点整備事業」の補助金を基に建設した施設で、自動運転技術の評価を念頭に置いた三つの試験エリアから成る。雨や霧の再現や路車間通信に対応できるのが特徴だ。

 三つの試験エリアとは、「特異環境試験場」「V2X市街地」「多目的市街地」である。特異環境試験場は、雨や霧、逆光などの環境条件を再現できるようにした屋内施設。V2X市街地は、路車間通信などの通信を活用した協調型自動運転システムの検証実験を想定した屋外施設である。多目的市街地は、移動可能な白線や縁石、道路工事の機材、建屋を模擬したコンテナ、交通標識、車両や自転車、歩行者のダミーなどを使って、交差点形状を含む様々な道路環境を再現できるようにした屋外施設となっている。

 JARIでは同施設の整備に当たって、自動運転技術において評価したい項目を自動車メーカーや自動車部品メーカー、大学・研究機関などからヒアリング。それに基づき前述の三つの試験エリアを設置したという。