自動運転によるクルマの進化にサプライヤーはどう対応するのか。日経Automotiveと日経ビジネスが2017年4月に開催した「自動車未来サミットSpring」では日独のサプライヤーが「レベル4」の自動運転に向けた取り組みを語った他、コンサルタントが普及に向けた課題などを述べた。

図1 コンチネンタル・オートモーティブ執行役員の豊田啓治氏
図1 コンチネンタル・オートモーティブ執行役員の豊田啓治氏
「2020年に高速道路におけるレベル4の自動運転の実現を目指す」と言う。(写真:皆木優子)

 「2020年に高速道路におけるレベル4の自動運転の実現を目指す」──。ドイツContinental社の日本法人であるコンチネンタル・オートモーティブ執行役員の豊田啓治氏は、このように述べた(図1)。米SAE(自動車技術会)の定義によると「レベル4」の自動運転とは、加減速や操舵などの操作、車両周辺の監視、緊急時の対応などの全てを、システムが主導で行う状態のことである。同社は、レベル4の自動運転を可能にする「クルージングショーファー」というシステムの開発を進めている。50~80km/hで先行車に追従して自動走行する他、自動で車線変更できる(図2)。

図2 「クルージングショーファー」の実験車(コンチネンタル・オートモーティブ)
図2 「クルージングショーファー」の実験車(コンチネンタル・オートモーティブ)
50~80km/hで走行中にカメラやレーダーで障害物を検知し、自動で車線変更する。
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 2022~2025年には、より高速域での自動走行や高速道路における分岐・合流を可能にする「ハイウェイショーファー」の実用化を目指す。2018年に実用化を目指すのは、運転者が車内にいなくても自動で駐車するシステムである。低速走行の無人運転車の開発も進める。豊田氏は「これらのシステムを組み合わせ、ドア・ツー・ドアの移動を可能にしたい」と言う。ただし自動運転が実現する当初は、現在の手動運転車と自動運転車が混在するため、「クルマ同士やクルマとヒトが意思疎通するシステムが必要になる」とした。