IHS Automotiveは、世界における自動車の市場調査の結果の一部を発表した。イランや中国、インドといった新興国市場が今後も成長を牽引すると予測する。また、日系メーカーが電動車の分野で主導権を握るには、プラグインハイブリッド車(PHEV)のラインアップ強化が必要とみる。

 IHS Automotiveは自動車の販売台数について、2016年はこれまで不調だった市場と好調な市場の「逆転現象」が起きると予想する(図1)。原油安と西側諸国による経済制裁で景気が後退したロシアや、中国経済の変調のあおりを受けたインドネシア、タイ、軽自動車税の増税で落ち込んだ日本などの市場が底打ちの気配を見せ始めている一方で、原油安によるガソリン価格の低下や景気回復などで好調だった北米や欧州が減速しつつある。

図1 イランや中国、インドは好調を維持
図1 イランや中国、インドは好調を維持
各国の2016年における販売台数伸び率の予測。インドネシアやタイ、日本の市場が好転する一方で、北米や欧州、韓国などは減速する見通し。またイランや中国、インドは引き続き好調を維持すると予測している。(IHS Automotiveの資料を基に本誌が作成)
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