機能を備えたクルマの内装照明に注目が集まっている。車室内を明るく照らすだけだった光に“意味”を持たせる取り組みが相次いでいるのだ。トヨタ自動車は新型「プリウス」向けに、車両情報を色と光で運転者に伝える製品を用意した。河西工業は、自動運転時代を見据えた内装照明の開発を強化する。

 トヨタが新型プリウスの純正用品として用意した「ドライブサポートイルミネーション」は、メーターフードの上部に装着するイルミネーションで、車両情報を運転者にほんのり伝える製品だ。トヨタの開発担当者は「数字やイラストではなく、光の色や点滅でそれとなくクルマの状態が分かるようにしたかった」と狙いを語る。車両情報と連動する車室内向けの照明の提供は、トヨタでは今回が初めてだ。

 デンソーが開発した。速度計などが並ぶメーターフードの上部にLED光源のイルミネーションを装着し、異なる色や光を発して車両の状況を運転者に知らせる(図1)。例えば、加減速を抑えたエコ運転中は緑色のイルミネーションが点灯。シフト位置でも色が変わる。急加速・急減速すると、3灯の白色LEDが点滅して注意を促す。

図1 新型「プリウス」は色と光で車両状態を伝達
図1 新型「プリウス」は色と光で車両状態を伝達
(a)オプション装備で、メーターフード上部に取り付ける。アクセルを強く踏む出力優先の走行時にはオレンジ色に点灯する。(b)エコ運転中は緑色に。(c)エネルギー回生時は青色に。価格は税込みで3万1320円。なお、写真はサーキットでの試乗会の様子。
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