SKYACTIV技術の開発などが奏功し、2014年度の営業利益は過去最高の2028億円(前年比11.4%増)を記録したマツダ。常務執行役員の光田稔氏に今後の方向性について聞いた。

Q 好業績を支えた主な要因は何か

 2006年頃から取り組んできた「モノ造り革新」という構造改革が成功の背景にある。車両開発や生産工程を大きく変えて、デザインやコスト構造を一新した。

 生産で大切なのは、市場環境の変化に対する柔軟性だ。市場のニーズや為替などに合わせて、製品の自由な組み合わせや、生産量の調整をする必要がある。メーカーだけでは対応できず、部品メーカーとも連携しなければならない。当社はモノ造り革新で生産に対する考え方をサプライチェーン全体で統一したことで、部品メーカーと一体で課題に対応できるようにした。

 国内では生産工程の効率化によって、生産コストを削減し、利益率を高めることができた。販売面では「魂動デザイン」のコンセプトによって価格競争力のあるクルマ造りができた。値引きしないと売れないクルマからは脱却した。環境性能と走りを両立したSKYACTIV技術で高めたブランド価値を維持するために、生産から販売面まで攻めの姿勢を貫く。