インドMahindra&Mahindra社(M&M社)は、同国トップクラスの地場系自動車メーカー。課題は、その座を保ちつつ海外での拡販を果たすこと。買収した企業のブランドや技術をいかに生かせるかがカギだ。(本誌)
M&M社は、インドMahindraグループの自動車部門を担う企業。現在は、独自ブランド「Mahindra&Mahindra」に加え、買収した韓国SsangYong Motor社の「SsangYong」や電気自動車(EV)を手掛けるインドMahindra REVA Electric Vehicle社の「Reva」といったブランドも展開する(表)。
金融危機以降のM&M社の成長を支えたのは、インド市場の成長と、前述の企業買収による商品構成の拡大と技術革新の進展だ。ただ、2013~2014年はインド市場の減速で業績は低迷。現在は中長期での安定成長を目指す。もっともインドは、BRICs諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国)の中では比較的経済が安定しており、2016年のインド市場の成長率は7.5%に迫る勢いで、自動車市場にとっても追い風だ。
また、他のインド企業と同様、インドからの輸出増が投資拡大を後押しする。特にアフリカや南米(チリ、ブラジル)、スリランカ、ネパール、オーストラリアなどの輸出先で拡販に力を入れる。グローバルでのSUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)のニッチプレイヤーとして主要国での強力なポジションの確保を狙う。