前号に続いて、神戸製鋼所・神戸総合技術研究所において実施された、ドイツDaimler社のDセグメントセダン「メルセデス・ベンツCクラス」の調査・分解研究作業についてレポートする。前回はCクラスが採用した、アルミニウム(Al)合金と鋼板を適用したマルチマテリアル構造における異材接合技術を中心に解説した。

 今回はAl合金に注目して、適用部位に応じた素材の使い分けや軽量化効果について検証する。Cクラスでは外板のほとんどにAl合金の板材を適用した他、押し出し材とダイカスト品も使っており、衝突安全性を考量して、各部位で要求される剛性と強度に応じてそれぞれを使い分けている。