前回に引き続き、トヨタ自動車の新型「プリウス」の分解研究についてレポートする。分解作業は、発売直後の2016年1月末から2月初旬にひろしま産業振興機構・カーテクノロジー革新センターによって実施された。前回は、分解作業の概要について触れたが、今回は、3代目から刷新されたハイブリッドシステムにおけるエンジンの改良点、動力分割機構やモーターのレイアウトなど、分解した部品の特徴を紹介していく(図1)。

図1 分解作業が実施された「プリウス」のホワイトボディー
図1 分解作業が実施された「プリウス」のホワイトボディー
今年1月末から2月初頭にかけて、ひろしま産業振興機構・カーテクノロジー革新センターのベンチマーキング活動の一環として、分解研究が実施されたトヨタ「プリウス」のホワイトボディー。
[画像のクリックで拡大表示]

クールドEGR採用で熱効率を追求

 4代目となった新型プリウスは、低重心化によって運動性能を向上させたことと、ハイブリッドシステムを刷新し、3代目より燃費を向上させことが特徴である(図2、表)。新型では、パワートレーンの搭載位置を従来型より10mm下げたほか、運転者の乗車位置も59mm下げている。

図2 4代目となった新型「プリウス」
図2 4代目となった新型「プリウス」
パワートレーンは、新世代プラットフォームである「TNGA」の採用により、搭載位置を10mm下げ、走行性能を向上させた。
[画像のクリックで拡大表示]
表 パワートレーン関連の部品メーカー
表 パワートレーン関連の部品メーカー
[画像のクリックで拡大表示]