毎年、10月に入ると大きな展示会が毎週のように開催されます。今年はどんな画期的な技術や斬新なアイデアが登場するのかと、1年を通じて最もワクワクする時期でもあります。

 そんな中、日経エレクトロニクスとゆかりの深いイベントといえば、「CEATEC JAPAN 2017(シーテック ジャパン 2017)」です。CEATEC JAPAN 実施協議会によれば、会期4日間(10月3~6日)の登録来場者総数は前年比4.7%増の15万2066人と盛況だったようです。今年は天候にも恵まれ、足を運んだ読者の方も多いのではないでしょうか。私も限られた時間ではありましたが、その活気に触れることができました。CEATEC JAPANの前身である「エレクトロニクスショー」の頃から取材している身としては実に感慨深いものがありました。当時は土曜日も開催していて、制服姿の学生集団や、走り回る子供たちの姿が印象的でした。

 そのうえで、つくづく感じたのは「展示会も生き物だなぁ」ということです。ご存知のように、CEATEC JAPANは昨年(2016年)、大きく方針を転換しました。IoT(Internet of Things)などテーマを前面に打ち出したイベントへと生まれ変わりました。今年の来場者数をみる限り、「新生CEATEC」は業界のニーズにうまく応えていると言えるでしょう。

 成功の要因の1つに、BtoBの展示会というイメージが前面に出ていたことがあると思います。いわゆる異業種の参加が目立ったことがそれを裏付けています。

 実は海外でも同様の動きがあります。毎年3月、ドイツのハノーファーで開催される「CeBIT」です。CeBITの動向に詳しい、情報通信総合研究所 主任研究員の滝田辰夫氏は、「CESやMobile World Congressとの差異化を図るべく、2014年にリニューアルしたCeBITはBtoB向けにかじを切りつつある。加えて分野を特定せず、『デジタルトランスフォーメーション』という大きなテーマを掲げている。IoTのさらなる進展に伴い、BtoBモデルの展開が求められる日本にも参考になる」と話します。

 今年のCEATEC JAPAN 2017について日経エレクトロニクスは3段構えの報道体制を取りました。まず、日経テクノロジーオンラインの特設サイトに速報をアップ。今号のHot Newsでトレンドを紹介。そして、より詳細なデジタル解説記事を日経テクノロジーオンラインに掲載予定です。ぜひご覧ください。