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 日経テクノロジーオンラインの有料記事ランキングで、この1年以上に渡って、非常によく読まれ続けている(ページビューが多い)記事が、日経エレクトロニクスの2016年3月号に掲載した解説記事「Apple採用で業界騒然、FOWLP本格量産へ」です。FOWLP(Fan Out Wafer Level Package)は最先端パッケージ技術の一つで、米Apple社がスマートフォン向けアプリケーションプロセッサー用に採用を検討している、という内容の記事です。実際、2016年9月発売の「iPhone7/7 Plus」でFOWLPが採用されたことが、弊誌でのiPhone7の分解解説記事「薄型化しなかった新iPhone、それでもFOWLPを使う理由」(2016年11月号)などで確認されています。前述のFOWLPの記事が長期間に渡って読者に支持されている理由として、FOWLPの技術としての普遍性、そしてApple社の採用による産業的なインパクトの大きさが考えられます。

 今号では、FOWLPと同様の波及効果が期待できる「MSAP」(エムサップ)と呼ばれる実装技術を紹介します。2017年秋に発売が見込まれる次期「iPhone」に採用されるとの見方があり、プリント基板業界で大きな話題となっています(解説「次期『iPhone』で話題のMSAP、30μm幅プリント基板を量産へ」)。記事を執筆したのは、FOWLPも担当し、実装分野で豊富な経験を持つ宇野記者です。

 実装技術ではもう1つ大きな話があります。次世代移動体通信システム(5G)や自動運転の時代に向けて、プリント基板の材料に世代交代の波が訪れることです。長らく使われてきたFR-4から、低損失基板に置き換えようとする動きが今後本格化しそうです。解説「5Gで低損失基板が表舞台に、FR-4やポリイミドを代替」にまとめました。

 この他、是非お読みいただきたいのが特集「ブロックチェーン、IoTの革命児」です。ネットを介して繋がった人や機械の間に信頼関係を築くことで、さまざまな取引や共同作業を実現可能にするブロックチェーン。IoTの将来を大きく左右するこの技術の最新動向をお届けします。