「IoT界のGoogle」になるのはどこか
 今回のBreakthrough「AIスピーカー日本上陸、APIが家電を支配する」は2016年8月号の「音声対話が世界を揺るがす」の続編です。ただし、音声AIが珍しかった当時から約1年で景色がすっかり変わってしまいました。記事でも触れましたが、もはや音声AIはあってあたりまえ。競争の軸は、音声AIからその後ろのサービス、特にホームIoTとそのAPIに移りました。規格の壁で囲い込む戦略は時代遅れ。できるだけ大きな投網を投げて幅広くデータを取得するかが勝負です。「IoT界のGoogle」になるのはどこか。早ければあと1~2年のうちに雌雄が決してしまうのではないかと危惧しています。(野澤)

使ってみなければ分からない
 「ある市場調査によると、無線給電は対応製品を1度購入するとリピーターになる人が多いようです」。新iPhoneの分解記事(Emerging Tech「無線給電に腐心したiPhone、Watchは「ワンコインスマホ」に」)の取材で、無線給電の関係者に聞いた話です。購入前はあまり魅力を感じなくても1度体験すると手放しにくい、無線給電はそんな機能のようです。そういえば最近、私も同じように感じた製品に出会いました。Apple Watchです。分解の予備用を試しに着けて数日間すごしたら考えが一変。いつのまにか自分で購入していました。(松元)

究極の採用試験とは
 日立製作所が、「HRテック」を使って組織の特性を変える試みを進めています(Emerging Biz「大手メーカーが技術者に望む、作る力より編む力」)。採用面接で望む人材を採るため質問項目を精査し、結果として志望動機を聞くことをやめたとのこと。そこまでして採用方法を見直した甲斐もあって、入社式で臆せずに質問ができる新人が今年は前年より増えたと、同社幹部は変化を実感しているといいます。遠くない将来には、採用面接の代わりに遺伝子検査が使われるようになるかもしれません。それで望む性質の人材をより高い確度で採れるようになれば、会社には好都合でしょうが、個人には恐ろしい時代になります。(三宅)