マイクロ波技術、いざ宇宙へ
 特集で取り上げたマイクロ波技術ですが、今後宇宙開発にも活用されるかもしれません(Breakthrough「欲しい材料は『波』で作る」)。マイクロ波化学は、JAXA(宇宙航空研究開発機構)と共同で、月や火星の地中にある氷から水を効率よく生成するマイクロ波技術を開発中です。この水から水素を発生させて、エネルギー源に利用するのが目的。現在、宇宙への「運送費」は非常に高く、地球から月や火星に物資を運ぶと1kg当たり約1億円かかるそうです。そこで、物資の地産・地消が可能な技術が求められており、その候補としてマイクロ波技術に着目したわけです。(根津)

もう履歴書は要らない、そして会社も
 電子技術者の記事のため人材会社を取材しました(Emerging Biz「求人活況の裏で変わる技術者、人材会社が促す“脱・社員”」)。ソフトウエア技術者の採用過程では、作成したプログラムを基準にすることがあり、履歴書よりもずっとスキルレベルが分かるとのこと。この発想を発展させれば、作成したソフトなどの出来を判定する機能を開発ツールに入れることになるかもしれません。技術者は、開発ツールを使う間にスキルレベルを判定され、優秀なら就職・転職活動などをしなくても企業から声がかかるようになるはずです。開発ツールが自らネットワークを形成し、企業に代わって最適な開発チームを作る時代も訪れるのでしょうか。(三宅)

使いやすくなる深紫外光に期待
 水銀ランプを使った殺菌灯は、以前から病院や調理場の一部で使われてきたようです。ただ、なぜもっと幅広く使われないのか疑問でした。人が不在の間、部屋に照射して殺菌すれば、風邪や食中毒、院内感染などがもっと減るはずです。取材で知った、普及しなかった理由は、水銀ランプの導入や管理の大変さ。高電圧対応の大型安定器が必要で、価格も高い。安い水銀ランプは白熱電球並みの1000時間ほどしか持たず交換とその後の適切な廃棄が大変だとか。深紫外LED(Emerging Tech「深紫外でLED大競争再び、技術にブレークスルー続々」)はこれらの課題の多くを解決しそうです。高感度な人感センサーも共に普及するかもしれません。(野澤)