展示ブースに見る、中国パワーデバイス企業の勢い
今回の特集で取り上げた通り、中国のパワーデバイスメーカーの存在感が増しています(Breakthrough「パワーデバイス、世界競争」)。それは、パワーデバイス業界のイベント「PCIM Europe」に出展している中国企業のブースを見ても明らかです。日本や欧米の大手企業のブースが集まる目立つ場所に、大手企業並みの大きなブースを構えるようになっています。ブース内の作りも、大手企業と似たような雰囲気で、社名を見るまで中国企業と分かりません。このようなところからも、中国企業のキャッチアップぶりがうかがえます。(根津)

今更だけど『今でしょ!』
「以前であれば、アイデアレベルのモノにでも投資して量産設備を立ち上げていた。今は、需要が見えているモノにしか投資しない。しかも、モノを作るための設備は導入できないが、設備を導入する前にモノは作らなければいけない」─。垂直に量産化せず、市場の様子を見ながら開発から量産へとじわじわと立ち上げ、需要に適宜合わせた生産量を目指すようになったという話を何度も聞き、その考え方が技術者に浸透しているのを感じました。ミニマルファブへの期待はより現実味を帯びたものになっているようです(Breakthrough「半導体もメイカーズ」)。(宇野)

AIが3Dプリンターの利用を助ける
3Dプリンターブームのおかげで、家電量販店でも数万~十数万円の民生機種を目にするようになりました。しかし、初心者がいきなり3Dプリンターを使いこなせるほど簡単ではないのが現状です。3Dデータを初心者が1からつくることは非常に難しいからです。別掲記事で紹介した慶應義塾大学 環境情報学部 教授の田中浩也氏の研究グループは、2次元のスケッチと3Dデータを対応付けて人工知能(AI)に学習させることで、AIに手書きのスケッチを示すだけで3Dデータを作成する技術を研究しています。これを使えば、私でも3Dプリンターを使うことができるでしょうか。(松元)