誤解を招く“慣行”にピリオドを
 特集「ムーアの法則、EUVで再起動へ」で触れたように、この約10年、半導体の世界で使われている「テクノロジーノード」または「~nm世代」という表現は、誤解や混乱の要因でした。半導体メーカー同士が「我々の10nmこそ最先端」「EUVを使う7nmこそ本物の7nm」などと言い合っています。そろそろ本来の意味であるメタル配線のハーフピッチ、あるいは記事で用いたSRAMのセル面積などの基準に戻すのはどうでしょうか。最新の「7nm世代」が実は15nm世代だというのは衝撃的ですが今後の健全な発展には必要な気がします。(野澤)

半導体栄枯盛衰
 Samsung社が半導体の売上高でIntel社を超えました。ビッグデータの台頭がメモリーの王者を主役に押し上げたのです。この流れが変わる潮目があるなら、ビッグデータを処理するAIチップでは。大器の芽は日本からもちらほら。ベクトルプロセッサーの再興を期すNECに、自動運転車の標準を目指す東京大学らも。ルビコン川を渡ったソニー深層学習ソフトを用意するのも、ひょっとしたら自分たちのAIチップを育てるためなのかも。 (今井)

MEMSマイクが社会にばら撒かれると
 MEMS(微小電子機械システム)の第一人者で、9月15日に弊誌が主催するMEMS関連セミナーでも講師を務める東北大学・田中秀治氏に寄稿していただきました(Emerging Tech「ついにMEMSも300mm化、ジャイロやマイクを格安に」)。テーマの1つはマイクです。記者はかつてMEMSマイクがばら撒かれる時代が訪れないか考えたことがあります。今となっては、米Amazon.com社などのAIスピーカーが、現実となるキッカケをつくりそうです。ユーザーに「盗み聞き」と感じさせずに社会に溶け込めば、ユーザーの状況や要望を常時把握できるかもしれません。 (三宅)