人には神話、機械にはブロックチェーン
 「人間の大規模な協力体制は何であれ、人々の集合的想像の中にのみ存在する共通の神話に根差している」。2017年度のビジネス書大賞に輝いた『サピエンス全史』にこうあります。人類の成功は、見知らぬ人の間に大規模な共同作業を樹立できたおかげであり、その根本には、ここで言う神話、すなわち国家や国民、お金や法律があるというのです。では、見知らぬ機械同士が共同作業するにはどうすればいいのでしょう。その答えがブロックチェーンかもしれません(Breakthrough「ブロックチェーン、IoTの革命児」)。(今井)

低損失配線も3Dプリンターで実現間近か
 低損失基板の記事(Emerging Tech「5Gで低損失基板が表舞台に、FR-4やポリイミドを代替」)をまとめながら、気になっていたのはプリント配線基板そのものを使わない基板レスにする選択です。基板レスの課題は伝送損失が大きい点。3Dプリンターで電気回路を形成する技術を開発したイスラエルNano Dimension社は2017年1月、本誌取材に「配線の伝送損失はFR-4とほぼ同等。ただし、まだtanδが大きくて高周波には適さない。我々はその改善に取り組んでいる」と答えました。改善が進めばインパクトは非常に大きそうです。(野澤)

驚いたのは半導体レーザーの進化と…
 久しぶりに半導体レーザーを取材して驚いたのが、緑色半導体レーザーの進化です(Emerging Tech「光ディスクからプロジェクターへ、半導体レーザーが再加速」)。数年前まで直接発振すら難しかったのですが、今では1Wの連続発振も可能に。これは日亜化学工業の成果ですが、同社を取材するために降り立った徳島空港でも驚くことが。しばらく見ない間に改装され、「徳島阿波おどり空港」という愛称が付いていました。気になって調べたところ、「鳥取砂丘コナン空港」や「米子鬼太郎空港」も。空港も次の一歩に進んでいるようです。(根津)