電車内の風景も変わる?
 ヒアラブル端末は、2016年初頭に事実上の最初の製品が出てきてから、あっという間に毎日の通勤時にも複数の人が着用しているのを目にするようになってきました(Breakthrough「耳の中にコンピューター」)。これまでは電車に乗ると皆がスマホを見つめていましたが、今後は皆が耳の端末と(正確にはSiriやAlexaなどの音声インターフェースと)小声で会話したり、指でタップしたり、首を振ったり歯を鳴らす、あるいはまばたきで操作したりする時代が来そうです。歩きスマホの問題が少しは軽減しそうですが、新しい風景も面白いような、不気味なような。(野澤)

FinFETアナログは破壊的技術か
 アナログ半導体の取材を進めてアナログ専業メーカーが顧客志向の会社であることにあらためて気づきました。一方、大手デジタル半導体メーカーの顧客志向は、用途ごとの大まかなニーズをASSPとして形にする傾向が強いです。高いコスト競争力を強みに、時には顧客の設計をASSPに合わさせます。両者のアプローチが、同じアナログ半導体市場でぶつかったらどうなるのか(Breakthrough「半導体異種格闘技戦」)。FinFETの導入で素子が一新する16nm世代以降のプロセスをアナログ半導体に適用させる技術は、市場に破壊的技術として定着するかもしれません。(三宅)

問われるAIリテラシー
 会社の上層部から「AIで何かやれ」と言われ、適用する課題を探し始める。AIの解説(Emerging Tech「ソフト基盤でAIが身近に、開発支援サービスはこう選ぶ」)の取材時に、何度も聞いた話です。AIは単なるツールなので、これでは本末転倒です。重要なのは、自社の事業や業務の課題に、AIをどのように適用できるかを的確に判断すること。まさに、情報リテラシーならぬ「AIリテラシー」です。記事でも紹介しましたが、幸い、個人が無料でAIを試せる環境が整ってきています。自ら手を動かせば、AIへの理解は深まるはずです。記者も、原稿執筆の合間を縫って、記事自動生成AIをつくってみたいと思います。(内山)