再び情報産業に組み込まれる印刷技術
 IoTの普及を印刷プロセスが助けるという趣旨の記事を書きました(記事)。輪転機による連続プロセスがデバイス製造コストを抑え、オンデマンド印刷による製造手法が多様な応用へのカスタム化に対応します。これまで紙への印刷では、1000年以上前に始まった活版印刷が書物を普及させ、最近普及したインクジェットプリンターが個人の情報発信の敷居を下げました。それぞれ主に人から人への情報拡散を促しました。印刷は、今度はIoT分野でモノからコンピューターへの情報拡散を加速する可能性を秘めています。人には読めないものを印刷しても情報産業からは切り離せない運命にあるのでしょうか。(三宅)

Huaweiの強い期待感を感じた
 「明日のIoTの発表はキャンセルになりました」「IoTの技術セッション、記者の参加は不許可に」─。昨年11月、中国Huawei Technologies社主催の移動通信イベントで、注目の新技術「NB-IoT」(記事)の取材中、思わぬ事態に遭遇しました。業界団体設立に関する発表があるとの観測や、伝送仕様の技術提案が明らかになるという期待感を持って現地入りしていたため、一時は真っ青に。同社広報部の助けを得て、個別インタビューや技術担当者に詳しく解説してもらうことで、なんとか所望の情報を得ました。こうした情報統制の厳しさからも、Huawei社が相当NB-IoTに期待を込めているということを実感しました。(蓬田)

異業種・産学連携の試金石に
 今回のEmerging Tech(記事)の取材で印象的だったのが、多くの電機メーカーや土木コンサルタント会社などの異業種、そして大学の研究室が連携してインフラ点検ロボットの開発に取り組んでいたことです。ここまで多種多様なグループが参加する事例はそうないと思います。各社が仲間作りに積極的なのは、2014~2015年というわずか2年間で「現場で使える」ロボットを開発しなければならなかったからです。インフラ点検ロボットはそんなに数が出る製品ではありませんが、「短期間で成果を出す異業種・産学連携プロジェクトの“試金石”になるかもしれない」と感じました。(中島)