「AxelGlobe」について説明するアクセルスペース 代表取締役の中村友哉氏
「AxelGlobe」について説明するアクセルスペース 代表取締役の中村友哉氏
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 民間商用の超小型衛星の開発・運用を手掛けるベンチャー企業のアクセルスペースは、2022年までに超小型衛星50機を打ち上げる計画を明らかにした。狙いは、地球観測画像データのサービスプラットフォーム(基盤)「AxelGlobe」を用意し、この画像をさまざまな企業が気軽に活用できるようにすることだ。将来構想として、画像データを蓄積・分析し、未来予測につなげたいとする。

超小型衛星50機を打ち上げる
超小型衛星50機を打ち上げる
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 AxelGlobeには自社の衛星画像だけでなく、航空写真などの他の画像データや気象データ、地上にある各種センサーのデータなども組み合わせた解析も行う予定。こうしたデータにアクセスするAPIを公開し、さまざまな事業者がそれぞれ独自のアプリケーションを開発できる体制を整える。

 例えば、AxelGlobeの地球観測画像データは、産業情報や農業、資源エネルギー、森林などの分野で活用されるとみる。産業情報分野では地上の経済活動の統計データの取得に、農業分野では農作物の収穫高の算出、資源エネルギー分野ではパイプラインの監視、森林分野では森林伐採状況の監視などを想定する。既に、スカパーJSATや三井物産、ウェザーニューズと業務提携した。

地球観測画像データの活用分野と市場規模
地球観測画像データの活用分野と市場規模
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業務提携先
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 アクセルスペースによれば、地球観測画像データの市場規模は2015年時点でおよそ2000億円。だが、応用先の市場規模も含めると、より大きなものになるとみている。

 衛星を50個打ち上げるのは、人間が経済活動を行っている地域の網羅的に観察するため。50個の衛星で、地球上の陸地の45%が撮影できるが、これがちょうど人間の経済活動域と重なるという。

 AxelGlobeで利用する50機の超小型衛星を、2017年から順次打ち上げる。まずは2017年に3機を打ち上げる予定だ。その後、2018年内にAxelGlobeに開始する。この3機の打ち上げのために、シリーズA投資ラウンドで、19億円の資金調達を完了した。ここでいう、超小型衛星とは重さ100kg以下のものを指す。数tある大型衛星に比べて、小型・軽量のため、大型機に比べてコストを約1/100にできるという。