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日経エレクトロニクス 2018年1月号

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“常温量子コンピューター”NTTなどがオンラインで公開

量子力学的現象の利用は一部にとどまる

  • 野澤 哲生
  • 2017/12/19 00:00
  • 1/2ページ

出典:日経エレクトロニクス、2018年1月号、pp.20-21(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

24時間稼働させる新開発のQNN(中央)
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 NTTは、光ファイバーなどを用いた非ノイマン型計算システム「Quantum Neural Network(QNN)」を24時間稼働させ、2017年11月27日から無償でオンラインで利用可能にした注1)。内閣府の革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)の下、国立情報学研究所(NII)や理化学研究所と共同開発した。

注1)システムは当初、大きなテーブル上に実装していたが、今回、ラック1台に収めたシステムを新たに開発した。消費電力は、約1kWである。24時間の安定稼働に成功したのも、温度変化に敏感なシステムを、ラック内に収めることで、温度変化を0.1℃以下に抑え込めるようになったからだという。

スピンの代わりに光パルス

 QNNは、いわゆるイジング(Ising)マシンの一種である。イジングマシンは、互いに磁界を及ぼす多数のスピンから成り、外部磁界などとの関係から、各スピンの向きがどのようになるかを調べる物理実験モデルである。このイジングマシンは理論上、古典的コンピューターが扱うほとんどの問題を解くことができる。特に、ある制約条件の下に、最適な組み合わせを調べる「組み合わせ最適化問題」に対して非常に有用であることが知られている。

 QNNではスピンや磁石の代わりに、長さ1kmの光ファイバーをループ状につなぎ、その上を2000個の光パルスを周回させながら、パルス同士をFPGAなどを用いて人工的に結合させることで、イジングマシンを再現した(図1)。この光パルスが、スピンの上向きか下向きかに対応する、「1」と「-1」といった2つの状態を同時に持ち得る「量子ビット」の代わりとなる。

図1 多数の量子ビットを時系列に配置しながら、それぞれをFPGAでつなぐ
QNNの動作概要とNTTが製作したシステムを示した。QNNでは、光ファイバーリング中に多数の光パルスを周回させ、それらをイジングマシンのスピンに見立てて、組み合せ最適化の解を求める。当初は正負の値が重なり合った状態にあるパルスに、解くべき問題に応じた制約となる信号を、周回ごとにFPGAで特定のパルスに加えていくことで、パルスの正負の並びが特定の値に収束する。エラー訂正は、(d)の位相感応増幅器が光パルスが通過するごとに行うため、解くべき問題の規模と同じ個数の光パルスがあればよい。
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