持ち歩くときは折りたたみ、使うときは広げて、大きな画面で映像や情報が見られる。このような“折りたたみ端末”を実現可能にする見開き型の液晶ディスプレーを、ジャパンディスプレイ(JDI)が開発した。ベゼル(外枠)を徹底的に細くした2枚の液晶パネルをつなげたものである。

あえて折り曲げない

 折りたたみ端末の実現に向けては、しなやかに曲がり、折り曲げられるフレキシブルディスプレーの開発が盛んだ。特に、表示原理上、曲げても液晶に比べて表示品質が劣化しにくい有機ELディスプレーで、フレキシブル化の開発が活発になっている。しかし、有機ELは液晶に対して、解像度や消費電力、コストの点で後れを取っているのが現状だ。

 今回JDIは、技術の成熟度が高い液晶パネルを折りたたみ端末に使うための新しい使い方を提案した。ディスプレーを折り曲げるというアプローチは取らず、ベゼルを徹底的に細くした2枚のパネルを連結する使い方である。

  これにより「曲げると表示品質が劣化する」という液晶パネルの弱点は、問題にならなくなる。連結するパネルの継ぎ目が見えてしまうという問題が生じるが、JDIはベゼルを徹底的に細くすることで、継ぎ目が目立たないようにした(図1、図2(a))。

図1 JDIが開発した見開き型液晶
図1 JDIが開発した見開き型液晶
表示部周辺のベゼル幅を徹底的に縮小した液晶を2枚つなぎ合わせることで、表示が見開けるようにした。
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