Siキャパシターの構造(写真:IPDiA社)
Siキャパシターの構造(写真:IPDiA社)

 積層セラミックコンデンサー(MLCC)の最大手、村田製作所が新たなコンデンサー(キャパシター)技術を手に入れた。半導体プロセスで製造可能なSiキャパシターである(図1)。フランスIPDiA社の買収を通じて入手した。買収直後の2016年11月に開催された「electronica 2016」では、同キャパシターのアピールに力を入れていた注1)

(a)Siキャパシターを作り込んだSiウエハー
(a)Siキャパシターを作り込んだSiウエハー
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(b)主な低ESL製品
(b)主な低ESL製品
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図1 Siキャパシターをアピール
IPDiA社は、半導体プロセスで製造できるSiキャパシターを2016年11月の「electronica 2016」に出展(a)。民生機器向けとして、ESLが低い製品をアピールした(b)

Siキャパシターは、MLCCに比べて単位体積当たりの容量が大きい、薄くしやすい、ESL(等価直列インダクタンス)が低い、耐熱性に優れる、割れにくいといったさまざまな特徴を備える。

注1)村田製作所の子会社であるオランダMurata Electronics Europe社がIPDiA社の株式を取得した。electornicaの開催は買収直後だったので、村田製作所のブースとは別に、IPDiA社のブースを設けた。