苦境にあえぐ任天堂が、反撃の狼煙を上げた。同社は2016年10月20日、新しいゲーム機「Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)」の概要を発表した。2017年3月に発売予定で、2012年11月に発売した据置型ゲーム機「Wii U」からおよそ4年ぶりの新型機である。Switchは、これまで同社が「NX」として開発を進めてきたもので、初めて外観や一部の機能などを明らかにした。
Wii Uの販売数はPS4の1/3
ここ数年、任天堂の業績は振るわない。2011年度には上場以来で初めての赤字に転落。その後も低空飛行を続け、直近の2016年度上半期(同年4~9月)は、売上高が1368億1200万円で、営業損益は59億4700万円の赤字である。業績不振の最大の理由は、据置型ゲーム機Wii Uにある。発売から約4年を経過した2016年9月末時点の販売実績は累計1336万台、対応ソフトも同9235万本にとどまる(図1)。
一方、競合の米Sony Interactive Entertainment(SIE)社の据置型ゲーム機「PlayStation(PS) 4」は好調だ。2013年11月の発売から約2年半後の2016年5月22日時点で、累計実売台数は4000万台を超え、対応ソフトも2億7090万本超と、いずれもWii Uの約3倍の売れ行きである注1)。