「トヨタ自動車およびトヨタグループは、かつてグループ全体のモデルチェンジを経験してきた企業群である。織機から自動車へと(主要な)生産品目を変更してきた。(今後は)人工知能とビッグデータを自動車以外の産業基盤の要素技術として活用できるのではないか」――。

 2015年11月6日、トヨタ自動車が開催した人工知能に関する研究・開発拠点の設立発表会の席上、社長の豊田章男氏が繰り返し発したのは、意外にも自動車以外の新領域への意欲を示す言葉だった。