IBM社が想定する近い将来の「IBM Q版データセンター」のイメージ
IBM社が想定する近い将来の「IBM Q版データセンター」のイメージ
[画像のクリックで拡大表示]

 米IBM社は、汎用量子コンピューティング(QC)・システム「IBM Q」を2020~2021年ごろに商用化する計画を明らかにした。IBM Qは、量子ゲート型QCの1種で、任意のアルゴリズムを実行できることが特徴の1つである注1)

注1)ただし、そのQCの演算性能が、既存のコンピューターを超えるかどうかは別問題。既存のコンピューターをはるかに上回る演算性能を出せるのは、「量子アルゴリズム」と呼ばれるごく一部のアルゴリズムに限られる。それ以外のほとんどのアルゴリズムでは、既存のコンピューター並みか、多少速いぐらいの結果になる。

 IBM社は2016年5月から5個の量子ビットから成るQCをオンラインに公開し、誰でも量子演算を試せるようにしている。2017年3月にはこれを発展させたプロジェクトとしてIBM Qを発表した。同年5月には量子ビットの数を16個に増した。さらに17個の量子ビットから成るQC用チップの技術を基に、商用化を進めるとする。