今後、IoT(Internet of Things)機器の増大に伴って課題となる半導体パッケージの多品種・少量・変量生産に対応できる。そんなチップ実装技術を持った企業が現れた。2009年に創業した新潟県妙高市に拠点を置くコネクテックジャパンだ。現在は、半導体後工程の受託開発・製造を主業務としている。

 同社が独自開発した実装技術は「MONSTER PAC」と呼ぶもの。「多品種少量生産に加え、low-k化によって脆化している半導体チップの実装、高温に弱い基板への実装、MEMS(微小電子機械システム)のフリップチップ実装など、現在半導体の後工程で課題となっている問題を一気に解決できる」(コネクテックジャパン 代表取締役の平田勝則氏)という。

凹版印刷で実現

 MONSTER PACの肝は、チップと基板を接合するためのマイクロバンプを基板側に用意すること。マイクロバンプの形成には凹版の印刷技術を使う(図1)。インクには銀ナノペーストを採用した。バンプ形成後は、その上に非導電性樹脂を塗布する。

図1 基板側にバンプを印刷
図1 基板側にバンプを印刷
基板側にバンプを印刷することで、多様な素材の基板に対応可能。非導電性樹脂はバンプの形状を維持し、チップと基板の界面を保護する役割を果たす。(図と写真:コネクテックジャパン)
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 印刷方式のため、「基板の材料を選ばずに配線を形成でき、多品種少量可能(平田氏)とする。またマイクロバンプを形成する時間が短縮できる上、装置も大幅に簡略化できる。