変化の激しい半導体業界にあって数十年にわたって安定した利益と成長を維持している両社の企業価値は、買収額を基にすると約300億米ドル(約3兆円)になる。フリーキャッシュフロー(FCF)は2015年で合わせて15億米ドル。(写真:左はAnalog Devices社のVincent Roche氏、右はLinear Technology社のBob Swanson氏)
変化の激しい半導体業界にあって数十年にわたって安定した利益と成長を維持している両社の企業価値は、買収額を基にすると約300億米ドル(約3兆円)になる。フリーキャッシュフロー(FCF)は2015年で合わせて15億米ドル。(写真:左はAnalog Devices社のVincent Roche氏、右はLinear Technology社のBob Swanson氏)

 ハイエンドアナログ信号処理IC大手で創業51年の米Analog Devices社が、電源やIoT(Internet of Things)向けアナログIC大手で創業35年の米Linear Technology社を2017年6月までに約148億米ドル(約1.5兆円)で買収する。

 両社は「強みとする製品構成が相互補完的になっており、事業面と技術面で統合効果を出しやすい。両社の産業分野、自動車分野、通信分野の顧客にとって大きなメリットを提供できる」(Analog Devices社のPresident and Chief Executive OfficerのVincent Roche氏)(図1)。「アナログ半導体と電源半導体をまたがる領域のソリューションを強化できる」(Linear社のExecutive Chairman and Co-founderのBob Swanson氏)。

図1 成長分野を両社で幅広くカバー
図1 成長分野を両社で幅広くカバー
米Analog Devices社と米Linear Technology社の既存の事業領域を示した。統合により、特にIoT分野では信号処理と電源を一括で提供できる。(図:Analog Devices社)
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