3次元フラッシュメモリーの比率が急拡大していく。(図:東芝)
3次元フラッシュメモリーの比率が急拡大していく。(図:東芝)
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 東芝と米Western Digital社は、NANDフラッシュメモリーを製造する東芝・四日市工場の新・第2棟の建屋全体が完成したと発表した。両社は今後メモリー事業に大規模投資を敢行する。東芝は、2016~2018年度の3年間で計8600億円の設備投資を計画。Western Digital社も2016~2018年度の3年間で50億米ドルの設備投資を行う。

 新・第2棟は、3次元フラッシュメモリー(BiCS FLASH)固有の工程を行う製造棟。東芝は、次期新棟の計画も明らかにした。2016年度に土地を造成し、市況を見ながら2017年度に建設を開始する。

 BiCS FLASHの立ち上げに伴い、現行の2次元品は急速に存在感を失っていきそうだ。2次元フラッシュメモリーについて、東芝では現在、2014年度に量産を開始した15nm世代が最先端品である。この15nm世代品の後継として、東芝は2次元品のさらなる微細化ではなく、BiCS FLASHへの移行を急速に進める(上の図)。2018年度の段階で、東芝のNANDフラッシュメモリーの全生産量のうち、90%超は3次元のBiCS FLASHが占める。東芝によれば、「BiCS FLASHの信頼性は2次元製品より高い」という。使用するトランジスタの設計ルールが2次元製品よりも緩いためとする。