TSMCのWilly Chen氏(Deputy Director, Design & Technology Platform)
TSMCのWilly Chen氏(Deputy Director, Design & Technology Platform)
[画像のクリックで拡大表示]

 半導体の微細先端プロセスをめぐる先陣争いが過熱してきた。2017年6月18~22日に米国オースチンで開催された電子設計技術に関する国際会議/展示会「54th Design Automation Conference(DAC 2017)」では、半導体の受託製造(ファウンドリー)事業で世界最大手の台湾TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd.)と、ファウンドリー事業をメモリー事業やシステムLSIと同格の注力事業に引き上げた韓国Samsung Electronics社が激しい火花を散らした。

7nmは2017年に15件設計完了

 TSMCは、7nm FinFET(N7)プロセスのビジネス状況や設計フローに関して発表した。登壇したのは、昨年および一昨年と同じくWilly Chen氏(Deputy Director, Design & Technology Platform)である。

 同氏は10nm FinFET(N10)の量産がFab 12およびFab 15(共に台湾にあるGIGA FAB)で始まったことを述べた後で、7nm FinFETの最新状況について説明。2016年のプレゼンではN7で20件以上の契約を結んだとしていたが、今回は、契約数は30件以上になり、15件が2017年中にテープアウト(設計完了)すると述べた。リスク量産は2017年第2四半期中に開始するとした。これまでTSMCの先端プロセスは主にスマートフォン向けSoCがターゲットだったが、N7ではスマホと並び高速コンピューティングもメインターゲットとする。