R&D戦略を説明するパナソニック代表取締役専務の宮部義幸氏
R&D戦略を説明するパナソニック代表取締役専務の宮部義幸氏

 「デジタル家電を中心とした事業体制の頃は、自分たちが世界のトップとの自負があった。必要な技術は自前で開発してきた。今や我々は、車や住宅などが注力分野の会社に変わった。加えて、人工知能(AI)をはじめ、我々よりも進んだ技術を持つところが世界中にたくさんあるようになった。だからこそ、より広く世の中から知識を得て、そこに私たちの形を付け足して事業につなげる必要がある」(パナソニック代表取締役専務の宮部義幸氏)。

 パナソニックが研究開発体制を大きく転換させ始めた。ポイントは大きく2つある。1つは、顧客との距離が近いところで中長期の研究開発力を強化すること。本社の技術部門の人材をカンパニーに移し、顧客との共創に注力する。本社技術部門は非連続な技術と新規事業分野に軸足を置く。もう1つは、技術の複雑化・進化の加速に対して、オープンイノベーションを強化することである。