「Renesas DevCon Japan 2017」の基調講演に登壇したルネサス エレクトロニクス代表取締役兼CEOの呉文精氏
「Renesas DevCon Japan 2017」の基調講演に登壇したルネサス エレクトロニクス代表取締役兼CEOの呉文精氏
[画像のクリックで拡大表示]

 全ての組み込み機器に深層学習の恩恵をもたらす─。ルネサス エレクトロニクスは2017年4月に開催した開発者向けイベント「Renesas DevCon Japan 2017」で、「e-AI(embedded-Artificial Intelligence)」と呼ぶ構想を発表した。現在の人工知能(AI)を牽引する深層学習技術などで開発した機能を、同社の組み込みマイコン全般に実装しやすくする環境を整える。

 まずは、深層学習技術を用いたDNN(ディープニューラルネットワーク)の開発環境(深層学習フレームワーク)と、同社のマイコン開発環境「e2 studio」を連携させるプラグインソフトを用意する(図1)。機能限定版を2017年5月末、正式版を同6月末から無償で提供する計画だ。その後は、学習済みのDNNの推論処理を高速実行できるアクセラレーターや、超低消費電力マイコンなども投入し、AI活用の裾野を広げていく。

図1 学習済みモデルをマイコンに組み込む
図1 学習済みモデルをマイコンに組み込む
ルネサス エレクトロニクスは、深層学習フレームワークを利用して学習させた認識用や予測用のモデルをマイコンに組み込みやすくするツールを2017年6月から無償で提供する。同社の統合開発環境「e2 studio」のプラグインの形で、組み込み専用やオープンソースとして提供されているフレームワークで開発したモデルを、プログラムに容易に取り込めるようにする。(図:ルネサス エレクトロニクスの資料を基に本誌が加筆)
[画像のクリックで拡大表示]