試作したセンサーシステム
試作したセンサーシステム
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 パナソニックは、8×8画素から7000画素相当の分解能を得られる赤外線アレーモジュールセンサーを開発、温冷感を独自アルゴリズムで定量化できるセンシングシステムとして2016年4月に提供を始めた(図1)。用途として、ルームエアコンなどの家電製品、カーエアコンなどの車載機器、産業機器などを想定する。

図1 ハードとソフトを統合しセンサーを高付加価値に
図1 ハードとソフトを統合しセンサーを高付加価値に
パナソニックが開発したセンサーシステムで使われている要素技術を示した。センサー単体に加え、超解像や温冷感算出アルゴリズムを組み合わせている。(図:パナソニックの図と写真を基に本誌が構成)
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 高解像度化は、センサーを1画素より細かいピッチでスイングさせることで実現した。各画像を合成することで、サーモグラフィのような高解像度の温度分布を得る。センサーを180度スイングさせる場合、7000画素相当に高解像度化できるとする。センサーのスイングにはステッピングモーターを使う。モーターでの移動は水平方向のみだが、センサーの画素に7.1度の傾きを付けているため、垂直方向への高解像度化もできている。

 高画素のセンサーを使うより、低コストで実現できるという。レンズによる光学ボケについて逆演算する処理を加え、より鮮明な画像を得られるようにもした。