IPA ソフトウェア高信頼化センターの田丸喜一郎氏(左)と、JASPAR 機能安全WGでSTAMP/STPAの活用を推進する日産自動車の岡田学氏
IPA ソフトウェア高信頼化センターの田丸喜一郎氏(左)と、JASPAR 機能安全WGでSTAMP/STPAの活用を推進する日産自動車の岡田学氏
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 車載システム関連の標準化を手掛けるJASPARは、自動運転車の安全性を向上できる新手法の普及促進に乗り出す。車載システムの開発の初期段階で、将来事故につながりかねない要素をあぶりだす安全性解析手法「STAMP/STPA」を採用する。2017年1月16日にJASPARの機能安全ワーキンググループ(WG)が、同手法に詳しい情報処理推進機構(IPA)ソフトウェア高信頼化センター(SEC)との連携を発表。自動車業界で使いやすくするための環境整備を進めると表明した。

 まず取り組むのは、車載電子制御システムへのSTAMP/STPAの適用検証である。同手法は概念的で、各社が個別の開発案件に適用するにはハードルが高い。JASPARはこの手法を用いて実際に車載システムを解析した事例を示し、適用の手順や情報のとりまとめ方などを例示する。2017年度中にも、事例に基づく解説書を会員向けに発行する。

 新手法に期待するのは、JASPARだけではない。2018年に発行される機能安全の国際標準規格「ISO26262」第2版でも、安全性解析手法の一例としてSTAMP/STPAが記載される見通しだ。ISO 26262の認証にSTAMP/STPAの適用が必須となるわけではないが、重要な手法であることが国際的にも認知されつつあることがうかがえる。