2015年度第3四半期の決算発表会で記者に取り囲まれるシャープ 代表取締役社長の高橋興三氏
2015年度第3四半期の決算発表会で記者に取り囲まれるシャープ 代表取締役社長の高橋興三氏
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 国内大手電機2社の経営再建に向けた動きが急だ。2016年2月4日、シャープは「産業革新機構と鴻海精密工業の2社に絞って協議を進めており、今後1カ月をめどに最終的な契約を締結できるよう協議する」と公表。台湾・鴻海精密工業(通称Foxconn)はシャープから優先交渉権を得たと主張しており、同社によるシャープ買収が有力視されている(表1)。同日東芝も、事業の売却がささやかれる白物家電とパソコン事業について、2月中をめどに他社との再編にケリをつけると表明した。

表1 シャープの経営再建をめぐる動き
表1 シャープの経営再建をめぐる動き
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 いずれも最終的な着地点はまだ見えない。ただし、巨額の赤字を計上しては大規模な事業再編を繰り返してきた国内大手電機企業の構造改革が最終局面にあるのは確かだ。かつては「百貨店」と言われ横並びで多くの事業を展開してきた各社は、自らの強みを発揮できる事業に集中する「専門店型」に変貌しつつある。シャープと東芝は、日立製作所やソニー、パナソニックなど、先行して絞り込みを進めた企業の後を追う格好だ。