ナノインプリントで微細加工された1100mm×1300mmのガラス板(右)、凸版印刷 取締役の植木哲朗氏(中央)、SCIVAX代表取締役社長の田中覚氏(左)
ナノインプリントで微細加工された1100mm×1300mmのガラス板(右)、凸版印刷 取締役の植木哲朗氏(中央)、SCIVAX代表取締役社長の田中覚氏(左)
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 車載機器や電子機器の進化を促す高機能部品を、大面積基板を使って低コストで製造する。これにより、革新的な製品を次々に生み出し、エレクトロニクス分野の新規事業を開拓する。こうした取り組みを凸版印刷が加速させている。「2020年度に約200億円の売り上げを目指す」(同社)。

 大面積基板を生かした新規事業開拓に当たって、凸版印刷が着目したのがナノインプリント技術だ。微細パターンを彫り込んだ判型を基板にスタンプのように押すことで、そのパターンを転写する技術である。2014年ごろに、大面積の判型を低コストで作製する技術の開発が進み、実用化の道筋が見えた1)

 凸版印刷は、ナノインプリント技術の大面積用途の開拓を、一気に加速させる考えだ。同社は、ナノインプリント技術の開発で成果を上げ、受託加工サービスを展開するベンチャー企業のSCIVAXに出資。2016年11月に同社の株式の約25%を取得し、ナノインプリント事業に本格参入した。