4Kテレビが当たり前になる中で、2016年1月に開催された「2016 International CES」では、「8K」時代を見据えた展示が相次いだ。中でも来場者の目を引いていたのが、8K対応のテレビの試作品である。少なくとも7社から展示があった。

 8Kテレビの展示に積極的だったのが、中国や韓国のメーカーである。例えば、中国メーカーでは、Changhong社(長虹)やKONKA社(康佳)、Hisense Group社(海信集団)、Skyworth社(創維)がブースに展示した。このうち、Changhong社やKONKA社、Skyworth社は、98型だった。表示していたのはいずれも静止画である。

Changhong社
Changhong社
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KONKA社
KONKA社
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中国メーカーの8Kテレビの試作品(その1)
Hisense社
Hisense社
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Skyworth社
Skyworth社
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中国メーカーの8Kテレビの試作品(その2)

 Hisense社は、60~70型台とみられる8Kテレビを展示。説明員によれば、2020年ごろの製品化を目指すという。台湾Innolux社のパネルを採用したようだ。

 韓国勢は、LG Electronics社とSamsung Electronics社が8Kテレビをブースに展示。いずれも98型である。LG社の説明員によれば、2016年内の製品化を目指しているという。

LG Electronics社。superMHLを採用した。
LG Electronics社。superMHLを採用した。
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Samsung Electronics社
Samsung Electronics社
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韓国メーカーの8Kテレビの試作品

 日本メーカーとして気を吐いていたのが、パナソニックである。同社は、55型の8Kディスプレーを展示。フレーム速度は120フレーム/秒で、視野角は178度、コントラスト比は1500対1である。「色域を広げるため」(説明員)に、液晶のバックライトにLEDではなく、赤色と緑色、青色のレーザーを利用している。

 8Kディスプレーとして、同社は壁掛け型とテーブル型の2種類を披露した。テーブル型は、各種作業向けに試作したもの。例えば、新聞紙面4面分を実物大で表示して校正作業に活用したり、A1サイズの図面を原寸で表示して設計・開発を支援したりすることを想定している。同時に10点を検知できるタッチパネルも搭載する。

 壁掛け型では、8Kの動画を表示していた。筆者が見た8Kディスプレーの中では、動画を表示していたのはパナソニックだけだった。

壁掛け型
壁掛け型
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テーブル型
テーブル型
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パナソニックの壁掛け型とテーブル型の8Kディスプレー