【技術】トヨタが自動運転可能な実験車

 トヨタ自動車は2015年10月8日、安全技術説明会を開催し、自動車専用道路において自動運転が可能な実験車両と、実用化したばかりの路車間・車車間通信を活用する運転支援システム「ITS Connect」搭載車を公開した。

 前車は、ETCゲートの通過後に、運転者がスイッチ操作で自動運転に切り替えると、出口のETCゲートまで自動で走行可能というもの。自動車専用道路の本車線への合流、車線維持、車線変更、本車線から出口へと向かうための分流、といった操作を自動で行える。

 後車は、路車間通信による「右折時注意喚起」「赤信号注意喚起」「信号待ち発進準備案内」、および車車間通信による「通信利用型レーダークルーズコントロール」「緊急車両存在通知」といった機能を盛り込んだものだ。

 「Mobility Teammate Concept」という、人とクルマが同じ目的で、ある時は見守り、ある時は助け合う、気持ちが通った仲間のような関係を築き、クルマを操る楽しさと自動運転を両立させるという考え方に沿って開発した。運転者や道路の状況に応じて、クルマが運転支援や自動走行するイメージだ。自動運転が可能な実験車両では、合流時にどのクルマとどのクルマの間に入るべきかの判断に人工知能技術を使う。

【動向】ホンダ、北米で「Green Path」イニシアチブ

 ホンダは2015年9月25日、北米での業務・生産モデルにおける、トータルライフサイクルの環境負荷を低減する「Green Path」イニシアチブを発表した。同社は温室効果ガスの排出量を2050年までに2000年比で50%削減するという自主目標を掲げる。今回のイニシアチブは、自動車の走行中の排出量削減だけでなく、設計・開発、生産、流通、販売業務など、すべてのプロセスで環境負荷を低減する取り組みとなる。

 まず、北米で同社最大の生産拠点であるオハイオ州のMarysville工場に、2億1000万米ドルを投資して先進ボディ塗装設備を導入する。新ラインでは現行の塗装4回と加熱乾燥3回に対し、プライマーコート硬化工程を削除して塗装4回と加熱乾燥2回にした。塗料メーカーと開発した水性プライマーコートと水性ベースコートを組み合わせて、現行ラインと比べて揮発性有機化合物(VOC)排出量を66%削減できる。

 また、スプレー塗装で出る付着しなかった塗料カスを回収するため、水の代わりに石灰岩ダストを使用する「Dry-Booth」技術を採用。水を使わないことで255トンもの塗料汚泥を除ける。さらにCO2排出量は年間1万2000トン減り、現行ラインより18%削減できる。

 コネチカット州Windsor Locksにある部品流通センターには、1MWの太陽光発電設備を設置。約5000枚の太陽電池パネルで、年間1.4GWhの電力を発電し、同センターの総電力需要の半分を賄う。これで576トンの温室効果ガス排出を削減できると予測している。