【技術】ホンダ、小型スクーター用の頭部保護エアバッグ公開

 ホンダは、小型スクーターに搭載できるエアバッグを2017年6月5〜7日に開催した技術試乗会「Honda Meeting 2017」で公開した。安全システムサプライヤーのスウェーデンAutoliv社と共同開発しているものである。クルマの側面などに衝突したときに、スクーターの運転者の頭部を守る。早期の実用化を目指す。

 エアバッグの展開の仕組みは、クルマの場合と同じである。スクーターの前部に組み込んだ加速度センサーが衝突の衝撃を検知すると、衝突相手のクルマと運転者の間でエアバッグを展開し、頭部への衝撃を和らげる。展開時間は0.04〜0.05秒である。クルマのエアバッグの場合、衝突時にステアリングやインストルメントパネル、ドアなどがエアバッグを支え、これによってエアバッグが運転者を受け止める。スクーターの場合は、衝突相手のクルマ自体がエアバッグを支える部材の役割を果たす。

 交通事故総合分析センター(ITARDA)によると、2015年の二輪車運転中の死亡事故で最も多かったのが「出会い頭」によるもの。また2014年の調査で最も多かった死亡者の損傷部位が「頭部」だった。

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