【動向】「三菱とスズキ以外はシロ」、国交省が調査結果

 不正の報告は三菱自動車とスズキの2社だけ──。国土交通省は2016年5月18日、燃費試験の不正行為の有無に関する自動車メーカーへの実態調査の結果を公表した。トヨタ自動車や日産自動車など国内で型式認証を取得している40社は、国交省に対し「不正行為はなかった」と報告した。

 これは、三菱自動車による燃費試験の不正行為を受け、国交省が自動車メーカーに調査および結果の報告を指示したもの。型式認証を取得する際の燃費・排ガス試験における走行抵抗値など、審査に用いるために自動車メーカーが測定したデータについて、適切に対応しているかを調査させた。

 調査では主に、三菱自動車が不正行為を働いた「走行抵抗値」を含む7件のデータの測定方法が、道路運送車両の保安基準と照らし合わせて不適切な取り扱いをしていないかを確認。自動車メーカーは調査結果のみを報告し、その裏付けとなるデータは提出していない。

 国交省は「自動車メーカーに偽られた」(同省のリコール担当者)との姿勢を示しているが、監督責任を問う声も上がり始めているのも事実だ。同省自身、「自動車メーカーを信頼して、(提出データを)そのまま使ってきた」と認める。不正行為を未然に防ぐことを目的に、国交省は「自動車の型式指定審査におけるメーカーの不正行為を防止するためのタスクフォース」を立ち上げ、「だまされないような仕組みを検討し、審査の方法を見直していく」(同省のリコール担当者)という。

【技術】安川電機、ロボットの動作軌道を自動生成する機能を開発

 安川電機は、ロボットの動作軌道をロボットシミュレーター上で自動生成する機能「パスプランニング(Path Planning)機能」を開発した。ティーチング作業の一部を自動化することで作業者の負担を軽減でき、生産システムのセットアップや段取り替えにかかる時間の短縮を図れる。

 新機能では、同社のロボットシミュレーター「MotoSimEG-VRC」で動作開始姿勢と終了姿勢、動作生成条件を入力すると、周辺の障害物を回避する軌道を自動で生成する。ティーチングが難しいとされる双腕ロボットでも、左右のアームがぶつからない軌道を容易に生成できる。

 生成した軌道は、同社のロボットプログラミング言語で動作するため、高速・高精度なプレイバックが可能。ロボットと障害物の間に任意の空間を確保しながらタクトタイムの短い動作を生成するので、シミュレーションと実際の環境に誤差がある場合にも対応できる。

 用途としては、例えば部品の配膳システムを想定する。新機能と3D形状認識機能、把持・持ち替え動作を自動生成する機能を融合させることで、動作プログラムを都度、自動で生成する。これによってタクトタイムを縮められるという。