【技術】三菱電機、世界最高速のエレベーター

 三菱電機は1230m/分と「世界最高速」(同社)のエレベーター技術を開発した。同社は、この技術を地上632mの超高層ビル「上海中心大厦」(中国・上海市)で稼働中のエレベーターに適用する。

[画像のクリックで拡大表示]

 新技術では、まず駆動・制御性を高めるために、巻き上げ機と制御盤を開発した。巻き上げ機には、省エネルギー性能に優れる永久磁石モーターと安全性の高いブレーキシステムを搭載する。併せて、2台の制御盤による並列駆動システムを採用する。

 巻き上げロープとしては、従来のケーブルに比べて質量比強度の高いワイヤーロープを使い、超高揚程に対応した。安全性を高めるために、多段緩衝器や非常止め、調速機に超高速・高揚程対応の安全装置を装備する。

 乗り心地を向上させる工夫として、レール曲がりや風圧による横揺れを抑える専用のアクティブローラーガイドを搭載。かご室には、かご周辺で発生する風を低減させる効果のある流線形の整風力カバーを取り付ける。かご室内の気圧を調整する装置も備え、耳の痛みなど乗客の不快感を緩和できるという。

 同エレベーターは利用状況に応じて1080m/分または1230m/分で運転し、地下2階から地上119階の展望階までの到達時間は最速で約53秒。

【新製品】ハイサイクル成形に対応しやすい電気式射出成形機

 日精樹脂工業は、型開閉サイクルの短縮など基本性能の向上を図った電気式射出成形機「NEX-IV」シリーズを開発した。2012年から販売している「NEX-III」シリーズの後機種に当たる。2016年5月から中型クラス4機種の受注を開始する。

[画像のクリックで拡大表示]

 新たに発売するのは、型締め力が1765kN(180tf)の「NEX180IV」と同2160kN(220tf)の「同220IV」、同2740kN(280tf)の「同280IV」、同3530kN(360tf)の「同360IV」の4機種。

 従来シリーズの特徴である、均一に型締め力を伝達する「フラットクランプ型締機構」や、安定した可塑化と高精度の計量を可能にする射出機構などを継承しながら、基本性能を高めている。

 具体的には、フラットクランプ型締め機構に使うトグル機構を新たに設計、型開閉サイクル時間を従来シリーズ比で5~20%短縮した。加えて、フラットクランプ型締機構を改良し、面圧の均一性を確保し、ねじれに強い構造とした。

 型締め盤のスライド部にはリニアガイドを標準装備したことで、型締め直進精度を向上。これらによりバリなどの成形不良を防ぎ、再現性の高い安定した成形を継続でき、金型や型締め機構の長寿命化も図れる。