【技術】ボタンを押さなくても自動で行き先階に向かうエレベーター

 三菱電機は、2016年2月4日にグランドオープンした大型複合施設「鉄鋼ビルディング」(東京都千代田区)にエレベーター17台とエスカレーター10台を納入した。エレベーターには、セキュリティーシステムと連動した行き先登録システム「ELE-NAVI」を搭載した機種が含まれる。

 ELE-NAVIは、利用者の行き先階に応じてエレベーターを割り当て、運行を自動制御するシステム。利用者がセキュリティーゲートを通る際に、社員証などIDカードの情報からその人の行き先階を自動で登録。セキュリティーゲートの表示器で、どのエレベーターに乗るかを指示する。

 利用者がエレベーターホールで昇り/降りのボタンを押さなくても、自動でエレベーターが到着し、エレベーター内でも行き先階ボタンを押す必要がないという。

 さらに、行き先階が同じ利用者を同じエレベーターに集約することで、停止する階の数を少なくでき、待ち時間と乗車時間の短縮と運行効率の向上を図ることが可能になるという。

 鉄鋼ビルディングには本館と南館がある。納入したエレベーターのうち、本館の12台をELE-NAVIに対応させた。定員は26人で、定格速度は240m/minとなっている。

【動向】電動化とSUVに注力、三菱自が新型車を14車種投入

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 「当社の開発リソースには限りがあり、本当に魅力がある商品を造るには、選択と集中が必要だ。得意なSUV(スポーツ多目的車)と電動車に開発リソースを集中する」。2016年2月3日、2020年までの商品戦略を発表した三菱自動車の社長兼最高執行責任者の相川哲郎氏(写真右)はこう強調した。

 開発リソースをプラグインハイブリッド車(PHEV)、電気自動車(EV)とSUVに集中して商品を展開していく。2017年度から2020年度までに合計14車種の新型車を市場に投入する。

 PHEVでは、2017年度に、主力の中型SUV「アウトランダー」と小型SUV「RVR」の中間となるサイズの中小型SUVを新たに市場に投入し、PHEVタイプを設定する。PHEVタイプの販売が好調なアウトランダーは、2018年度に次世代モデルを発売する。

 EVでは2019年度に市場に投入予定の次世代RVRにEVタイプを設定。EV「i-MiEV」の後継車として日産自動車と共同開発する小型EVも「投入する方向で検討している」(同氏)。

 電動車以外では2017年度にクリーンディーゼル車のMPV「デリカD:5」の新型車を投入する計画だ。同年度にはインドネシアで同国の新工場で生産する小型MPVも発売する。