【動向】ゴーン氏「EV普及は中国がカギ」

 「電気自動車(EV)が世界で普及するかどうかは中国市場にかかっている。(米国以上に)EVの成長が著しい中国に注目すべきだ」。日産自動車社長兼最高経営責任者(CEO)のCarlos Ghosn氏は「CES 2017」(2017年1月5~8日、米国ラスベガス)でそう語った。

 現在、中国のEV販売台数は急増している。中国汽車工業協会(CAAM)によると、2015年のプラグインハイブリッド車(PHEV)などを含むEVの販売台数は約34万台で、米国を抜き世界一になった。中国におけるEV販売台数は2013年が約2万台、2014年が約8万台だったことを考えると驚異的な成長率である。成長を後押しするのは、中国政府の積極的な普及促進策だ。2015年の助成額は45億米ドル(約5200億円)にも達する。

 EV 販売で存在感を高めているのは中国の国内メーカーだ。比亜迪汽車(BYD Auto)は主力の「e6」の販売を伸ばしており、世界最大のEVメーカーになった。中国政府はEVベンチャーに対する開発資金も提供しているという。

 中国におけるEV市場の拡大を受けて、日産自動車も低価格のEVを同市場に投入する方針だ。「既に中国で低価格のEVを開発しており、他の市場への投入も考えている」(Ghosn氏)という。