製品のバリエーションを確保しつつコスト競争力を高める手法として脚光を浴びているモジュール化。しかし、モジュール化に合わせて開発プロセスを変えることや、モジュール戦略を主導する責任者を置くことの重要性は見落とされがちだ。日産自動車とフランスRenault社のグループが推進するモジュール戦略「CMF」を題材に、この分野において多くの研究成果を国内外で発表してきた筆者が“モジュール戦略の神髄”を解説する。(本誌)

 さまざまな業界で、製品の多様化と開発の効率化を両立させる「モジュール戦略」が注目されている。しかし、モジュール戦略を巡る議論において、これまですっぽりと抜け落ちていた重要な論点がある。それは、「開発プロセスをどう変えればいいのか」ということと、「モジュール戦略を誰が主導するのか」ということだ。