カメラの進化によりクルマの安全性能が高まっている。EuroNCAP(欧州新車アセスメントプログラム)では、2018年から夜間歩行者や自転車に対する衝突回避性能の評価を始める。その他にも、多くの安全機能がカメラによって実現できる。今後、ますます重要性が高まる車載カメラの動向を追った。

写真提供:Volvo社
写真提供:Volvo社

 欧州の自動車アセスメント「EuroNCAP」が、2016年に歩行者、2018年からは夜間の歩行者、自転車に対する衝突回避性能の評価を開始する。安全基準の強化を受けて、車載カメラの性能も大きく進化する。

 現状では車載カメラの一般的な性能は100万画素・30fps(フレーム/秒)だが、2018年頃には200万画素で同30fps以上になる(表1)。暗闇でも明確に物体を検知できるようにするダイナミックレンジも現状の120dB以上に高まり、暗闇での物体検知性能が大幅に向上する。

表1 2015年と2018年の主な車載カメラの例
表1 2015年と2018年の主な車載カメラの例
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 車載カメラの高性能化は、カメラ単体だけで実現するものではない(図1)。撮影した画像を処理・解析する「ソフトウエア」、撮影した画像データをECU(電子制御ユニット)や各システムに伝送する「車載ネットワーク」も重要なカギとなっている。

図1 車載カメラの高性能化を実現する要素
図1 車載カメラの高性能化を実現する要素
カメラの性能はシステムの各階層に大きく依存する。
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