写真提供:ダイハツ工業、デンソー
写真提供:ダイハツ工業、デンソー

歩行者対応の自動緊急ブレーキが軽自動車にも浸透してきた。ダイハツ工業は小型ステレオカメラを、スズキは単眼カメラとレーザーレーダーを一体にしたユニットを新たに採用した。その背景にはセンサーシステムの低コスト化がある。ミリ波レーダーだけで歩行者を検知できる製品も登場。センサーシステムの主導権争いが激しくなってきた。

 軽自動車に搭載する自動ブレーキの歩行者対応が加速している。ダイハツは小型のステレオカメラを使う「スマートアシストIII」を、2016年11月に部分改良した「タント」に搭載した(図1)。スズキは2017年2月に全面改良した「ワゴンR」で、単眼カメラとレーザーレーダーの一体型センサーユニットを使う「デュアルセンサーブレーキサポート」を使用した(図2)。

図1 ダイハツ「スマートアシストIII」のステレオカメラ
図1 ダイハツ「スマートアシストIII」のステレオカメラ
デンソー製。左右のカメラ間の距離(基線長)を80mmまで短くして製品を小型化した。
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図2 スズキ「ワゴンR」のセンサーユニット
図2 スズキ「ワゴンR」のセンサーユニット
Continental 社製。トヨタの「Safety Sense C」のユニットと同じである。2017年1月に発売した小型車「スイフト」に続く採用となる。
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 歩行者対応の目的は同じだが、ダイハツは検知精度を高めやすいステレオカメラを採用した。スズキはコストを優先し、単眼カメラとレーザーレーダーの一体型ユニットを採用するという、ダイハツと異なるセンサーを選んだ。