「コールドスタート時など排ガス温度が低いときの浄化率を上げなければならない」「高速・高負荷時の高温での耐久性と触媒活性の向上が必要だ」――。排ガス規制の強化で排ガス後処理装置に求められる性能は高まっている。しかも、規制は燃費・二酸化炭素(CO2)排出でも強化の方向。排ガスを減らすために燃費を犠牲にする手法は採りにくくなってきている。規制強化に向けた後処理装置の進化の方向性を追った。

 欧州のRDE(Real Driving Emission)試験に世界で初めて対応したディーゼルエンジン――。そうしたうたい文句で2016年3月の「ジュネーブモーターショー2016」に出展されたのが、ドイツDaimler社の新型ディーゼルエンジン「OM654」だ。新型セダン「E 220 d」に搭載するもので、排気量2Lの直列4気筒エンジンである。

写真提供:Daimler社
写真提供:Daimler社