小型ハイブリッド車(HEV)の競争が激化している。台風の目になっているのは、日産自動車の「ノートe-POWER」。電気自動車(EV)のようなリニアで力強い加速力を武器に、消費者を魅了している。HEVは、もはやHEVのエンブレムを付けているだけでは通用しない。分かりやすく明確な差が求められている。
2017年2月、HEVを取り巻く市場の変化を示唆する二つの出来事があった。一つは、これまでHEVの開発・販売で牽引役を果たしてきたトヨタ自動車が、同年1月末にHEVの世界累計販売台数で1000万台を突破したと発表したこと(図1)。もう一つは、1月の日本国内における登録車の「新車乗用車販売台数月別ランキング」(日本自動車販売協会連合会調べ)で、HEVモデルのe-POWERを追加した日産の小型車「ノート」が、2016年11月に続き2度目のトップを獲得したことだ(図2)。ノートの販売台数に占めるe-POWERの比率は、e-POWER追加後3週間の時点では約78%を占めていたとされる。