車載Ethernet関連の国際会議「5th Annual IEEE-SA Ethernet & IP@Automotive Technology Day」が2015年10月に開催された。車載ソフトウエアやネットワークの標準化を目指すJASPAR(Japan Automotive Software Platform and Architecture)の次世代高速LANワーキンググループが登壇した「Ethernet of Things」のパネルディスカッションでは、車載Ethernetの利点が明らかになった。
進行役:今、車載Ethernetのどんな動き(進展)に注目していますか。
後藤英樹(次世代高速LAN WG 主査/トヨタ自動車):高速ネットワーク化とオープン化です。車載における画像データ伝送用のインターフェースは、まだポイント・ツー・ポイント(P2P)であって「ネットワーク」ではありません。今後、一つのデータを複数のアプリケーションで使う「ネットワーク化」の需要が高まります。そのとき、(さまざまなネットワークトポロジーを構成できる)Ethernetは適しています。
車載Ethernetでもう一つ注目しているのが、「オープン化」です。車外との通信では、オープン化が重要だと思っています。民生機器業界やIT業界で標準のEthernetは、オープン化の観点でも有利だと思います。
オープン化するとセキュリティーが重要になります。Ethernetはセキュリティーの観点からも機能的に充実していると考えています。