トヨタ自動車が2016年12月に発売した新型SUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)「C-HR」(図1)。2015年12月発売の新型ハイブリッド車(HEV)「プリウス」(4代目)に続き、新設計手法「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」を採用した第2弾の車両である。セダンのプリウスと共通のプラットフォームを使いながら、SUVならではの味付けを施した。

図1 トヨタ自動車の新型SUV「C-HR」
図1 トヨタ自動車の新型SUV「C-HR」
ハイブリッド車「プリウス」(4代目)に続いてTNGAのCセグメントFF(前部エンジン・前輪駆動)車向けプラットフォームを採用した車種。
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 全高に対してタイヤ径を大きくし、アイポイントやヒップポイントを高くする(図2)。SUVであるC-HRを実現する上で、トヨタがこだわった点の一部だ。

図2 C-HRの主要寸法
図2 C-HRの主要寸法
プリウスと比べて、アイポイントは120mm強高い1270または1285mm、ヒップポイントは55mm高い330mmとなっている。全高に対するタイヤ径の比率が高いのも特徴である。全幅は1795mm、最小回転半径は5.2m。
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 同社によれば、他の車種と比べてSUVでは内外装のデザインを重視する顧客が多い。タイヤ径を大きくすることで力強いイメージを付与しながら、独創的なスタイルを追求した。

 C-HRのタイヤ径は、690mm(215/60R17)または682mm(225/50R18)。全高はHEVモデルで1550mm、エンジン車の四輪駆動(4WD)モデルで1565mmである。全高に対するタイヤ径の比率は最大で44.5%と、競合のSUVに対して大きめ。4代目プリウスとの比較では、タイヤ径は実に48~65mmも大きくなっている。

 アイポイントやヒップポイントについては、前方の視認性を上げるために高くした。C-HRでは「できるだけスピードを落とさない流れるような効率的なドラビング」を目指しており、そのためには前方にあるものをしっかりと見極められることが重要だった。C-HRのアイポイントは1270mm(HEVモデル)で、4代目プリウスよりも120mm強高い。ヒップポイントも330mmで、同55mm高い。実際、乗り比べてみるとその視認性の差は歴然だった。