スウェーデンVolvo社は2017年10月中旬、中型SUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)「XC60」を日本で発売した(図1)。2代目となる今回は、操舵支援で前方の障害物や対向車、後側方の車両との衝突回避機能を備えたのが特徴。前方の障害物との衝突回避で、自動ブレーキに加えて操舵支援するのはVolvoブランドで初めてとなる。
運転支援用センサーは、90シリーズと同様に、単眼カメラとミリ波レーダーを一体化して、フロントウインドー上部の室内側に設置した。サプライヤーも同じで、センサーモジュールは米Delphi社製、カメラの画像認識用ICはイスラエルMobileye社製である。車両価格は599万円から。
Volvo初となるステアリング・サポート(衝突回避支援)機能は、自動ブレーキで前方の障害物(先行車や歩行者、自転車、大型動物)との衝突を回避できない場合に、運転者がステアリングホイールを回転させると電動パワーステアリング(EPS)で操舵力を支援し、衝突を回避するもの(図2)。また、旋回性を高めるために、操舵する方向の主に前輪の内側にブレーキをかけてヨーモーメントを大きくする。衝突回避できる車速は60km/hまでで、システム作動範囲は、50k~100km/hである。
90シリーズで導入しており、XC60にも新たに展開する操舵支援機能は、対向車との衝突回避や後側方衝突回避である。いずれもEPSで自動操舵するもので、運転者がステアリングホイールを回転させなくても作動する点が、前述のステアリング・サポート機能と異なる。
対向車が接近しているときに、自車が対向車線にはみ出すと、正面衝突を回避するために、自動操舵で元の車線に戻すよう支援する。作動速度は60k~140km/hである。
後突回避機能は、自車の後側方に車両が急接近している場合に、車線を変えた場合やウインカー(方向指示器)を作動して車線変更しようとして衝突の危険性が高まったときに自動操舵で元の車線に戻すよう支援する。