今後の「レンジローバー」が進む方向性を示すクルマ──。重要な役割を背負って英Jaguar Land Rover(JLR)グループが開発したのが「レンジローバーヴェラール」だ(図1)。流麗で洗練されたデザインが特徴のSUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)で、“引き算の美学”をキーワードに開発した。

図1 レンジローバーシリーズの4番目のモデル「ヴェラール」
図1 レンジローバーシリーズの4番目のモデル「ヴェラール」
(a)洗練されたデザインが最大の特徴である。(b)JaguarブランドのSUV「F-PACE」。 ボディーやパワートレーンなど多くを共用している。
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 「砂漠のロールス・ロイス」と呼ばれてきたレンジローバーが、大都会を目指して疾走している。レンジローバーシリーズで一番小さい「イヴォーク」と大型の「スポーツ」の間に位置する、4番目のモデルとしてヴェラールが登場した。その背景には、時代の変化があるという。ヴェラールのデザインを担当したJeremy Waterman氏(同グループLand Rover Chief Designer Exteriors)は「消費者が求めるものも、ラグジュアリーの定義も変わってきている」と分析する(図2)。

図2 ヴェラールのデザインを担当したJeremy Waterman氏
図2 ヴェラールのデザインを担当したJeremy Waterman氏
JLRグループLand Rover Chief Designer Exteriors

 変化に対応するために、高いオフロード性能を残しつつも、「知的や洗練、色気などを表現するために無駄をそぎ落としたデザインに仕上げた」(同氏)。